食品工場や業務用厨房機器での一酸化炭素中毒事故にご注意を
近年、ガスを使う機器による一酸化炭素中毒事故が多く発生しています。一酸化炭素は酸素の供給が不十分な状態で炭素化合物が燃焼する不完全燃焼で発生します。発生した一酸化炭素は私たちの体を流れる血液中に含まれるヘモグロビンと結合、作用して血液の酸素運搬能力を低下させ、様々な中毒症状を引き起こします。
中毒の症状が軽い場合は頭痛や耳鳴、めまい、吐き気などに留まりますが、重度の場合は自覚症状を覚えることなく、昏睡に至り、やがて呼吸や心機能が抑制されて命を落とします。また、このような状況では助かった場合でも重い脳の障害や聴覚障害が残る非常に恐ろしい中毒なのです。
中毒事故を防ぐため、次のことに気をつけてガス器具を使いましょう!
1.ガス機器使用中は換気を!
ガスが燃焼するためには新鮮な空気が必要です。また、吸気と同時にガスが燃焼した後の排気も確実に行うようにします。これらの換気をし忘れないような現場のルールづくりも大切です。
2.常に異常の有無の確認を!
ガス機器を使う人(持ち主)は、機器の使い始めるときと使い終わったときに、異常の有無を確認します。また、使用中についても正しく作動しているか点検し、異常が認められたときは使用を中止し、修理を行い、危険を防止しましょう。
3.正しく使用する!
ガス機器や換気の設備などを使う人(持ち主)は、その扱う機器の取扱説明書を十分に理解し、正しく使うことも大切です。普段からのほこりや汚れの除去、フィルターの清掃等、日常のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。台風や地震等の自然災害の後も、ガス機器の異常の有無を確認します。なお、停電中にやむを得ずガス機器を使用する場合は十分な換気を行うようにするとともに、停電復旧後も換気扇や給排気設備が正常に作動するか気をつけましょう。
4.定期的な清掃が大事です!
厨房設備などのグリスフィルターや脱臭フィルターは、油脂分の付着を放置すると目詰まりを起こし、十分な換気が行えなくなりますので、定期的な清掃、交換を行いましょう。
5.警報器設置を検討しましょう!
ガス機器の不完全燃焼を防止するものではありませんが、業務用換気警報器の設置を検討しましょう。
【関連リンク】
■一酸化炭素中毒事故の防止に関する注意喚起(文部科学省)
■CO中毒事故を防ぐために(LPガス安全委員会)